産総研(AIST)>分散型熱物性データベース

分散型熱物性データベースは液体、固体、高温融体に関する熱伝導率、 比熱容量、熱拡散率、密度、表面張力、蒸気圧などの熱物性値を収録しており、 無料でご利用いただけます。(開発・運営:産業技術総合研究所)

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ご案内

約3,600物質・材料に渡り、合計11,800件以上の物性データ(機械特性、光学特性、XRDスペクトル等を含む)を無償でご利用いただけます。右欄のDB閲覧項目からデータベースへアクセスできます。また、下記データ紹介のリンクからも直接データベースへアクセスできます。

熱物性標準研究グループのご紹介

熱物性標準研究グループは標準供給(標準物質開発、依頼試験)に加えて、技術コンサルティングや共同研究による熱物性評価を実施しています。下記グループHPを一度ご覧頂けますと幸いです。

熱物性標準研究グループHP

熱物性標準供給のHP

静電浮遊法による高温融体熱物性データ(密度、表面張力、粘性係数)

収録データの概要

(独) 宇宙航空研究開発機構 石川毅彦 教授と連携し、純金属の高温融体熱物性データを収録・公開いたしました。下記収録物質リストの22物質について密度、表面張力、粘性係数を収録しています。これらの物性は静電浮遊法により計測され、融点が3,000℃を超えるタングステン等の溶融物の貴重なデータを収録しています。

収録物質リスト

タングステン、チタン、ジルコニウム、ニオブ、バナジウム、コバルト、ニッケル、イットリウム、
モリブデン、 ルテニウム、ロジウム、パラジウム、ハフニウム、タンタル、レニウム、
オスミウム、イリジウム、白金、ランタン、プラセオジム、ネオジム、セリウム

計測手法の紹介

静電浮遊法(Electro Static Levitation、以下ESL)は、溶融金属の各種物性を非接触で計測可能な手法です。一般的にESLを含む無容器浮遊法は、容器と試料の反応がなく、試料汚染のを回避した計測が可能です。さらに、凝固時の過冷却状態を長時間作り出すことができるため、過冷却液体の研究に適していると言えます。ESLにおける密度計測は、浮遊状態の試料形状が真球に近いため、カメラ画像より体積を算出し、質量を体積で割る方法が採用されていれます。表面張力と粘性係数は高温融体液滴を振動させた際の周波数や振動の減衰具合から求められます。(詳しくは参考文献1をご参照ください。)

参考文献
1.T.Ishikawa, P.-F.Paradis, T.Itami, S.Yoda, "Non-contact thermophysical property measurements of refractory metals using an electrostatic levitator", Meas. Sci. Technol., 16(2005) 443-451.
2.石川毅彦, P. -F. Paradis, 正木匡彦, "静電浮遊法:これまでの成果と今後",Space Utiliz Res, 22 (2006)

参考資料
1.JAXA 石川・岡田研究室ホームページ
2.石川毅彦, "静電浮遊法を利用した高温融体の熱物性計測", 第2回 固体熱物性クラブ講演資料, 2006

 

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