産総研(AIST)>分散型熱物性データベース

分散型熱物性データベースは液体、固体、高温融体に関する熱伝導率、 比熱容量、熱拡散率、密度、表面張力、蒸気圧などの熱物性値を収録しており、 無料でご利用いただけます。(開発・運営:産業技術総合研究所)

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熱物性標準研究グループのご紹介

熱物性標準研究グループは標準供給(標準物質開発、依頼試験)に加えて、技術コンサルティングや共同研究による熱物性評価を実施しています。下記グループHPを一度ご覧頂けますと幸いです。

熱物性標準研究グループHP

熱物性標準供給のHP

■分散型熱物性データベースの概要


これまで多くの物質・材料データベースが開発されてきましたが、これらのデータベースはいわゆる「集中型」であり、センター的役割を果たす一機関(データセンタ)に全てのデータを集め、データ入力・管理・供給の全ての処理を行うことが一般的でした。 (国)産業技術総合研究所 物質計測標準研究部門 熱物性標準研究グループ(以下産総研) では独立し分散した熱物性データベースを統合した形でネットワークからアクセスする「分散型熱物性データベースシステム」の概念を提示し、物質・材料の熱伝導率、熱拡散率、比熱容量、熱膨張率、放射率などの熱物性値を収録する熱物性データベースの開発を進めています。2011年度末現在、固体材料、高温融体、流体に関して合計約10,700件の熱物性データを収録し、無償で公開しています。

■分散型熱物性データベースの特徴

■物質・材料の階層的分類

物質・材料情報はツリー構造を利用し当方が定めた基準に沿って階層的に分類し、収録しています。物質の特徴を把握している場合は、ツリー構造を利用して所望の物質へのアクセスできます。

■データユーザー・プロジェクトによるアクセス管理

機関連携によるデータ収録が分散型熱物性データベースの基本思想です。連携研究者や登録ユーザーは個人アカウントが割り当てられます。この個人アカウントとデータプロジェクトという概念を用いて物性データのアクセスコントロールを実施し、データセキュリティの確保に努めています。

■物性データ

各物性データには数値テーブル・式データ、出典、計測機器・計測手法、不確かさ等の情報が収録可能です。一方、データソースによっては、これらの情報が充分に与えられていないことがあります。また、変数をもつ物性データは視覚的に把握できるようグラフ表示が可能です。

■使用単位

可能な限りSI単位で表記の統一を行っています。スペクトルデータなど例外を認めた方が特性を把握しやすい場合に限り、SI以外の単位を採用しています。

■検索機能

物質名や化学式による検索、ある範囲の物性値を有する物質・材料の検索、それらの論理式による検索が可能です。

■2つ種類の閲覧方法

Webブラウザを利用する方法と専用ソフトウェアInetDBGVを利用する方法があります。Webブラウザ版は上記の機能を備え、ユーザー登録無しにデータを閲覧することが出来ます。ユーザー登録後に利用可能となる専用ソフトウェアInetDBGVでは、物性データ重ね描画、物性値の範囲指定による検索等、Webブラウザ版よりも閲覧機能が強化されています。

■分散型熱物性データベースの連携体系

熱物性データベースの構築に関わる複数の機関が、それぞれの担当分野について熱物性データを保有し、それぞれの機関の責任で熱物性データの登録、更新、管理等を行います。

    分散型ネットワークデータベース構成図

 

 

■外部研究機関との連携

・高融点金属溶融体の熱物性データ整備に関する連携(JAXA石川教授)
・融体熱物性データ整備に関する連携(東北大 福山教授等)
・熱物性データ公開サービスにおける連携(日本熱物性学会)

参加・獲得プロジェクト


2002年度〜産総研研究情報公開データベース(RIO-DB)のテーマとして採択され、現在まで同テーマのサポートを受けて開発・公開を継続しています。
2006年度〜2007年度:NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構) 知的基盤創成・利用促進研究開発事業
「材料データベースの連携プラットフォームの構築に関する調査研究」
1999年度〜2001年度: NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構) 知的基盤創成・利用技術研究開発事業
「流体および高温融体の熱物性標準データと計測技術の研究開発」
1998年度: NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構) 民間の機能を活用した知的基盤事業(即効型知的基盤創成研究開発事業) 「新規産業創成のための熱物性データに関する基盤整備」
1997年度〜2001年度:科学技術振興調整費知的基盤整備推進制度「機能材料の熱物性計測技術と標準物質に関する研究」、サブテーマ「プロトタイプ熱物性データベースの研究」
2011年度〜2013年度:日本学術振興会科学研究振興費基金基盤研究C「材料オントロジーの拡張と国際化による材料データ交換手法の確立」

プロジェクト成果アーカイブ


1.科学技術振興調整費知的基盤整備事業「機能材料の熱物性計測技術と標準物質に関する研究(H9FY-H13FY) 」89件
2.知的基盤創成利用促進研究開発事業「流体及び高温融体の熱物性標準データと計測技術の研究開発(H11FY-H13FY)」実測データ6591点、文献データ4208点
3.知的基盤創成利用促進研究開発事業「 革新的鋳造シミュレーション技術(H11FY -H14FY)」実測データと文献データの合計272件
4.知的基盤創成利用促進研究開発事業「溶接設計支援システム用データベース構築の調査研究及び研究開発等(H17FY-H19FY)」 実測データ32件

 

■掲載物性・物質詳細

収録物質

収録物性

   金属単体の熱伝導率
   半導体・半金属の熱伝導率

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■データ更新情報